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  • 2026.10.24

    トミヤママチコのブログ

    コラム/ブログ

    似合う色も、時代の子。 ― カラリストが流行色を知る理由―

    「パーソナルカラーは、似合う色を選ぶもの。流行は関係ありません」

    そう言い切ると、筋が通っているようにも聞こえます。けれど、そこで話を終えてしまうのは、少しもったいない気がします。

    服も、メイクも、それを身につける私たちも、時代の中で暮らしています。パーソナルカラーも色彩演出も、いわば「時代の子」。似合う色を提案するときにも、流行を無視するわけにはいきません。

    似合う色の知識はしっかり持つ。でも、使い方まで固めてしまわない。その柔軟さも、カラリストには必要だと思うのです。

    流行色というと、毎年発表される、目を引く色を思い浮かべる方が多いでしょう。今なら「2027年春夏には、どのような色が提案されているのだろう」と、次の季節に目を向けておきたいところです。

    ただ、発表された色と、実際に街で人々が身につけている色は、必ずしも同じではありません。

    最近、街を眺めていると、以前より暗い色が多くなったように、私には感じられます。定番色である黒の存在感も、いっそう強くなっているようです。また、色みを抑えた穏やかな色も、「着回しが利く」「組み合わせやすい」と、日常によくなじんでいます。

    こうした、暮らしの中で広く選ばれる色の傾向も、大きな意味での流行色です。話題の一色だけでは、街全体の色は見えてきません。

    一方、提案された鮮やかな色を見て、「きれいだけれど、自分には難しそう」と感じる方もいるでしょう。ここからが、私たちカラリストの出番です。

    もちろん、流行色も、その人に似合う色調域に合わせ、明るさや鮮やかさなどを調整して提案することが基本です。そのうえで、面積や使う位置、配色を工夫します。

    インナーから少しのぞかせる。スカーフやバッグに使う。アクセサリーで添える。いきなりコート一着分、どんと着る必要はありません。流行色だからと全身を任されては、色のほうも少々、荷が重いでしょう。

    社会の動きや人々の気分を見ながら、その人の好みや暮らしに合う、流行色の居場所を見つける。そこに、色彩の専門家としての知識と技術が生きてきます。

    「私にはこの色しか似合わない」と選択肢を狭めるより、似合う色を知ることで流行も楽しめるようになる。カラリストが流行色を学ぶ意味は、そんな色の自由を広げるところにもあると思っています。