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2025.12.10
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“アール・デコ100年後” に思うこと

今年は1925年のパリ・アール・デコ博覧会から100年。記念展が各地で開催されるなか、三菱一号館美術館の「アール・デコとモード展」は、時代の空気がそのまま服に宿っているのがとても面白く感じました。シャネルやランバンが生み出した、コルセットから女性を解放する軽やかなシルエット。展示室には、かつて女性たちを締めつけ、貧血や内臓損傷まで引き起こしたコルセットも置かれていて、思わず「ランバンとシャネル、ありがとう」と手を合わせたくなりました。
けれど、時代は巡ります。第二次大戦後、ディオールが発表した「ニュールック」は、ぎゅっと絞られたウエストと、花びらのように大量の生地を使うロングスカートが特徴で、贅沢だと反対運動が起きたほど。それでも、世界中で大流行しました。そして当然ながらシャネルは痛烈に批判し、「女性を19世紀に戻している」など、その言葉は辛辣でした。とはいえ、あの砂時計シルエットは今見てもやっぱり素敵で男性受けしそう、「スタイルが良ければ私も着たい…」なんて思ってしまいます。
ただ、ここで気になるのが「ルッキズム」。SNSの普及で外見至上主義がより強くなり、一般人でも整形や豊胸が当たり前の時代になっています。私が通う美容クリニックの看護師さんは全員二重整形済みで、そのお友達は韓国で脂肪吸引からの豊胸――そんな話も珍しくはないですが、未来の身体への負担を思うと、他人事ながら心配になります。
でも、美の基準は本当に人それぞれ。そばかすをチャームポイントとして誇らしく見せる友人もいれば、そばかすが気になって一年中マスクを外せない別の友人もいます。そういう姿を見ると「人生もったいないなぁ」と思ってしまいますが、かといって私自身も肝斑・シミのレーザー治療に通っています。結局、私も立派にルッキズムの神輿を担いでいたのです。
そこで改めて思うのです。パーソナルカラー診断は、痛みもなく高額でもなく、将来のメンテナンスも不要です。それでいて、しみ・しわ・くすみを和らげて、その人が一番きれいに見える色を提案できます。お客様が鏡の前でぱっと明るい表情になる瞬間に立ち会えるのは、本当に嬉しいことです。
美は誰かに強制されるものではありません。必要以上にルッキズムを恐れる必要もないし、振り回されることもないのです。どこまでやるかは人それぞれ。大切なのは、自分が自然に心地よくいられるラインを知ることだと思います。
パーソナルカラーは、その小さな「心地よさ」を見つけるための一つの灯りなのかもしれません。
新パーソナルカラー協会認定講師 西牟田秀子

