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2025.1.27
トミヤママチコのブログ
パーソナルカラーの疑問
『イエローベースとブルーベースの勘違い』 トミヤママチコのパーソナルカラーBLOG
パーソナルカラーの用語で認知度の高いのは「イエベ・ブルべ」。略さないでいうとイエローベース・ブルーベースです。近年一気にその認知度が上がったのは化粧品コーナーでブルべとイエベに仕分けされた口紅やチークが陳列されたおかげです。
そして興味を持った人たちには、SNSを主としてパーソナルカラーの自己診断の方法がたくさん提供されていますが、その内容のほとんどが自分のボディカラーのチェックです。あなたの肌の色は?目の色は?髪の色は?
結構わかりにくいけど、多分この辺りかな?とチェックした集計があなたのパーソナルカラーということになります。
だけど残念ながらそれは楽しい徒労の場合が多いです。
本来のパーソナルカラーは「あなたのボディカラー」という色と配色したときに、あなたを際立たせ、人から似合うという高評価を得られる色のことです。だからボディカラー=パーソナルカラーという意味ではありません。確かに似ている色なのでなじみは良いですが、際立たせるのとは別問題です。パーソナルカラーはあなたのボディカラーに過不足分の調整ができる色のことです。
もしかすると、昔からその色を着ると評判が良かったとか、流行っていて薦められて買った色だけど周囲からは無反応、みたいなリサーチの方が正解だったりします。
ボディカラーと似た色がパーソナルカラーだとする「勘違い」のルーツを探ると、20世紀初頭までさかのぼります。
色は学問というカテゴリーで発達してきましたが、産業革命以降、とくにアメリカで実践的に色を活用する意識が高まりました。簡便に確実に色選びができる色票集が発売され、デザインやファッションに関連する分野で大ヒットしました。その中にロバート・ドア氏が提唱した「カラーキープログラム」という色票集がありました。
物体の色をイエローアンダートーンとブルーアンダートーンの2グループに分けそのグループの中の配色は調和するという色彩調和論です。しかし氏は人までイエローとブルーに分けるとは言っていません。
この大ヒットに着目し、さらに対象を人に絞り大ヒットさせたのは化粧品メーカーです。イエローアンダートーンとブルーアンダートーンを基に「4シーズン分類」を販促ツールとして開発しました。「春」「夏」「秋」「冬」の誕生です。化粧品の対象は「人」なので人の色もわかりやすく色別にしたわけです。
ちなみに、このように考察してみると化粧品業界が常にパーソナルカラーをけん引しているのが見えてきます。なんといっても一番身近なアイテムなのかもしれませんね。
しかし原点で忘れてならないのはイエローとブルーの2分類は、人以外の「物体色」を分けることを目的とした調和論だということです。
そしてパーソナルカラーは、その人をなじみやすさの中に溶け込ませてしまうのではなく、際立たせ、個性的に、美しく(男性ももちろん!)見せる色のことです。
似合う/似合わないは、イエベ・ブルべという観点だけで分かるわけではありません。明るさや暗さ、肌の質感、色の強弱などの観点から見ることも大切です。
色が自分を生かす大きな役割を担っているのは確かですから有効に取り入れましょう。